JICA トルコ国西部地震災害救済
 国際緊急援助専門家(兵庫県・神戸市チーム)活動概要報告 プレスリリース(入力・中川)

1999年8月27日から9月6日(現地日付)

<現地:8月27日分>

1.ホテル到着について
 現地時間8月27日(金)21時25分(日本時間28日午前3時25分)、派遣チーム全員元気でイスタンブールのホテルに到着しました。
 その後、派遣チームでミーティングを行い、団員間の連絡体制、役割分担、現在判明している日程などを確認しました。

 サボイホテル(Savoy Hotel)
 Tel:90-212-252-9326〜23
 Fax:90-212-243-2010
 e-mail:savoy@savoy.com.tr
 Address: Siraselviler Cad. No.29, Taksim Istanbul

2.現在判明している日程(現地時間)
(1)8月28日(土)
10:00 在イスタンブール日本国総領事館、総領事、領事訪問
13:00 イスタンブール県副知事訪問
その後、イスタンブールの被災地視察(訪:空港西側)

(2)8月29日(日)
10:00 イズミット市長訪問
未定 市内視察
未定 イズミット市災害対応担当者との面談

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 トルコ国西部地震災害救済
 国際緊急援助専門家(兵庫県・神戸市チーム)活動概要報告
<現地:8月28日分>

1.派遣チームの活動(8月28日)
10:00 在イスタンブール日本国総領事館 訪問
 ・総領事への派遣チーム到着の報告
 ・領事より今回の地震について詳細な説明を受けた。
 (相手方) 石堂知宏(いしどう・ともひろ)総領事、西牧久雄(にしまき・ひさお)領事、栗原直樹(くりはら・なおき)日本国大使館(アンカラ)一等書記官

13:00 イスタンブール県庁舎訪問
 ・県知事、副知事を表敬訪問
 (相手方)All Cafer Akyuz(アリ・ジャーフェル・アクユズ)任命副知事、ErkanAkol(エルカン・アコール)公共事業住宅省技師

14:00 アブジェラル(Avicilar)地区災害対策本部を訪問し、被災状況視察 ※
15:00 バージェラル(Bagcilar)地区災害対策本部を訪問し、被災状況視察 ※

 ※被災建物(解体撤去済みがほとんど)、被災者の避難先などを訪問

2.当面の予定
(1)8月29日(日)
10:00 コジャエリ県イズミット市訪問
 ・市長表敬 Sefa Sirmen(セファ・シルメン)民選市長
 ・被災地視察
 ・協議(市庁舎にて)

(2)今後の予定で決定したこと
1・9月2日(木)イスタンブールでの滞在の最終日に、派遣チームの団員と地元研究者などを交えた意見交換会(セミナー)を行う。
2・9月6日(金)アンカラにて、上記と同じくセミナーを開催する

3.その他
 隊員の健康状況は良好

(参考)8月28日(土)の共同通信、NHKとの記者会見内容
団長:(本日のスケジュールから)総領事館では、詳しい調査記録の報告を受け、今後の行動を起こすに辺り、参考になった。また、アブジュール区及びバージュラル区では、直接被災者とも話ができた。
(今後のスケジュールとして)9月2日及び6日にセミナーを開催する。(会場などは未定)
岩崎(団員):(感じたことなど)サカリヤ県では避難者用テントを機構上の点から冬までに撤去するとのことである。その点を踏まえ、早急に建物の危険度判定を進めていく必要がある。当面の物資は充足しているようだが、時間とともに必要とする物資の内容がこれから変化していくと思われるので、行政側の認識が必要だ。
小原(団員):ミリエット紙(現地紙)に神戸から仮設住宅が送られる旨の記載が第1面にあった。本日の視察には、パトカー先導と言うことで、私たちが暖かく迎えられており、また大きな関心を持って受け止められていることを感じた。本日視察したところでは、部分的に被災建物があったのみ。2千万〜3千万トルコリラの現金給付などの対応には驚かされた。 

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 トルコ国西部地震災害救済
 国際緊急援助専門家(兵庫県・神戸市チーム)活動概要報告
<現地:8月29日分>

1.派遣チームの活動(8月29日)
 8:30 ホテル出発
10:00 イズミット市ベダット副市長表敬
13:30 被災地視察(デリンジュ地区)
16:50 ホテル到着

(1)イズミット市災害対策本部での意見交換
1:ベダット副市長の主なコメント
 ・震災後12日苦難が続いている。
 ・チームが来てくれて大変うれしい
2:トルコ側から示された現状の課題など
 ・崩壊建物の除去について、隣の建物を傷つけずに、また傷つけた場合の補償についての知恵と併せて、その技術を教えて欲しい。
 ・応急危険度診断について教えて欲しい。
 ・仮設住宅の提供をお願いしたい。
 ・がれき処理のためのコンクリート破砕機が欲しい。
3:日本側が示した主な意見など
 ・被害建物に対して日本で行った応急危険度判定の方法を紹介。また、日本で使われた仮設住宅について写真を用いて説明。
 ・余震などによる二次災害の危険性もあるため、危険建物の解体が急がれるが、そのための手続き、条件づくりなどが急がれる点を指摘。
 ・感染症などの問題として、短期及び中長期的な視点から対策を講じる必要性を指摘。
 ・物的な復旧と平行して「心の健康」について考える必要があると指摘。
(2)現地視察の概要
 ・現在、医薬品、医療品は充足しているが、長期的確保の保証はない。
 ・仮設テントの被災者の健康が危惧されることから、仮設診療所を要する(5カ所)
 ・感染症対策が必要である(コレラ、チフスは問題ないとしているが、O−157や伝染性皮膚炎が問題−入浴がない。)
 ・市保健部の体制140人の職員(うち10人医者、他130人は看護婦、助産婦など医療関係技術者)
【現地の状況】
 ・倒壊ビル多数(当時の三宮地区と同様な雰囲気)、解体、撤去作業中。
 ・被災者が多数いることから、現地の調査は15分程度(精神的影響を重視)
 ・被災者はテント生活(イスタンブールとは、格差が大きい)
 ・フランスが立てた集合テント(500人収容)を、バスから視察
 ・タンクローリーによる給水を行っていた。
(3)対策本部での協議内容
 ・建物診断及び仮設住宅設置などにかかる協議
 ・がれき処理問題について
 ・衛生問題(特に感染症対策について)
 ・避難所の状況について
 ・被災者の心の相談窓口の設置について

3.今後のスケジュール
(1)8月30日
 7:30 ホテル出発
 9:30 被災地視察(ギョジュルク地区及びデールメンデル地区)
13:00 専門分野ごとに視察などを検討

(2)8月31日
14:00 イズミット市の専門分野の担当者との協議

4.その他
 隊員の健康状況は良好

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 トルコ国西部地震災害救済
 国際緊急援助専門家(兵庫県・神戸市チーム)活動概要報告
<現地:8月30日分>

1.派遣チームの活動(8月30日)
 7:30 ホテル出発
10:30 被災地視察(ギョルジュク地区及びデールメンデル地区)
14:00 被災地視察(2班体制でイズミット市街避難テント村または私立学校事務所など)
15:20 イズミット市長表敬
18:10 ホテル到着

(1)ギョルジュク地区視察
 今回の地震による被害が最も甚大であったイズミット市ギョルジュク地区を視察し、医師、ボランティア学生、及び警察官などから意見聴取を行った。
(2)フランス政府設置テント避難所視察
 400人の被災者が非難しているフランス政府設置テントを視察し、被災者から意見聴取を行った。
(3)イズミット市長表敬
 前市長更迭後に就任した中央政府役人出身のイズミット市長を表敬し、意見交換を行った。

3.今後のスケジュール
(1)8月31日
11:30 ホテル出発
14:00 イズミット市専門分野ごとでの協議
(2)9月1日
 半日をセミナーの準備に充てる。

4.その他
 隊員の健康状況は良好だ

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 トルコ国西部地震災害救済
 国際緊急援助専門家(兵庫県・神戸市チーム)活動概要報告
<現地:8月31日分>

1.派遣チームの活動(8月31日)
 現地時間11時ごろに2度にわたり余震があった。このため14時よりイズミットで予定していた専門分野ごとの協議を中止した。
 [余震の概要]
 ・震源地:北緯40.72度、東経29.93度(17日の本震震源地近く)
 ・規模及び発生時間:1回目 11時10分 M5.2
           2回目 11時33分 M4.7
 ※ギュルジュック及びイズミットで相当の揺れあり

2.当面のスケジュール
(1)9月1日(水)
 午前〜 イズミット市内の仮設住宅、がれき置き場を視察

(2)9月2日(木)
 13:00〜 イスタンブール市内において、派遣チームの団員と地元研究者などを交えたセミナー(意見交換会)を開催

(3)9月3日(金)
 アンカラに移動
 (宿泊先)
 Hilton Hotel
Tahran Cad 12 Kavaklidere Ankara
Tel.90-312-468-2888
Fax.90-312-468-0909

(4)9月4日(土)〜5日(日)
 トルコ政府提出用レポート作成

(5)9月6日(月)
 9時〜17時 震災復興支援セミナー(於:ト日基金センター・アンカラ)
 ・兵庫県の経験、神戸市の経験、質疑応答など

*****震災復興支援セミナー(アンカラ)(案)*****
−−兵庫県・神戸市の経験から−−
 要領
1.日時 1999年9月6日(月) 9:00〜17:00
2.場所 ト日基金センター
3.プログラム
 9:00〜9:30  列席者挨拶etc. → 内容別途相談
 9:30〜12:30 兵庫県の経験(Q&Aを含む)(詳細別添1)
 (途中1回break10分)
12:30〜13:30 昼食(ビュッフェ)
13:30〜16:30 神戸市の経験(Q&Aを含む)(詳細別添2)
 (途中1回break10分)
16:30〜17:00 総括、質疑応答

 別添1 兵庫県チーム(1人平均20〜30分、簡単な質疑含む)
1.復旧・復興計画
(小原健男:阪神・淡路震災復興本部総括部参事・震災記念協会常務理事)
(1)復旧・復興計画策定の手法と課題
(2)産業の復興に関わる課題
(3)生活の復興に関わる課題
(4)復興のための基金造成

2.住宅対策
(富岡敏典:県まちづくり部総務課主幹)
(1)二次的避難所としての応急仮設住宅の供給
(2)被災建築物の応急危険度判定
(3)被災住宅の復旧及び大量の恒久住宅の整備

3.衛生対策
(川久道隆:県健康福祉部生活衛生課課長補佐兼乳肉衛生係長)
(1)災害時及び災害後の感染症対策についての行動指針策定
(2)被災、避難生活者の衛生的な食生活の確保
(3)緊急時の飲料水対策についての行動指針の考え方等
(4)避難所の総合的な環境衛生対策
(5)狂犬病予防対策と被災動物の救護

4.教育対策
(中杉隆夫:県教育委員会高等教育改革室主幹)
(1)学校の被災状況の把握
(2)教育の応急対策
(3)被災した子どもたちや教職員の心の健康管理

5.ボランティア対策
(柏野繁樹:県生活文化部生活創造課主幹)
(1)ボランティアの効果的な導入・活用を図るためのプログラム作成
(2)ボランティアのネットワーク化
(3)ボランティアとの連携方策

6.防災体制
(谷口正洋:県防災企画課事務吏員)
(1)大震災を経験にした兵庫県の防災体制

 別添2 神戸市チーム(1人平均20〜30分、簡単な質疑含む)
1.阪神・淡路大震災に置ける神戸市の取り組み
(岩崎靖:市建設局公園砂防部管理課管理係長)
(1)神戸市の被災状況
(2)復旧への取り組みに置ける問題点と対応(仮設住宅の管理・運営維持方法など)
(3)現在の復興状況

2.がれき解体作業に置ける対応と問題点
(加藤利明:市理財局財政部経理課工事契約係長)

3.がれき処分の実際と問題点
(尾崎敏之:市環境局業務部産業廃棄物指導課主査)

4.避難所(テント村)の設営、運営について
(林芳宏:市市民局市民安全推進室安全企画課推進係長)

5.神戸市における被災者への自立支援対策
(古川厚夫:都市計画局再開発部六甲道南再開発事務所事業第2係長)

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 トルコ国西部地震災害救済
 国際緊急援助専門家(兵庫県・神戸市チーム)活動概要報告
<現地:9月1日分>

1.派遣チームの活動(9月1日)
・3班に分かれた活動となった。
(1)1班はアブジュラル保健省対策本部などを訪問
 ・UNFPA(国連人口開発基金)調査官(Mr Ahmet Ozirmax)と面談後、午後にアブジュラル保健省対策本部を訪問し、意見交換を行った。

(2)2班はイズミット市ATAFEN(アタフェン)校を訪問。
 ・小学校、中学校、高校教師など、約50人と質疑応答を行い、災害時の避難方法や心のケアに関する取り組み状況などを説明した。

(3)3班はコジャエリ県副知事訪問他
 ・コジャエリ県ヘルハッシュツ、バシュツルク副知事との階段は現地の状況を知る上で大変有意義であった。

(9/1スケジュール)
 8:30 ホテル出発
11:00 私立学校訪問
12:50 コジャエリ県副知事表敬
14:10 国立病院訪問
14:40 イタリアにより開設されたテント村訪問
17:00 ホテル到着
21:00 バンシュルマ市長と会談(団長、小原、林)
(1班は別途9:00にUNFPA(国連人口開発基金)調査官と面談、14:00にアブジュラル保健省対策本部を訪問している)

2.明日以降のスケジュール
(1)9月2日
 7:30 チャンネル6の朝のニュース番組に団長、小原、岩崎が出演予定
13:00 セミナー開催
 セミナーについては、イスタンブール県の会議場にて開催。参加予定者は、大学、県、市の関係者100−200人程度の予定。
(2)9月3日
 8:50 空路アンカラへ(フライト時間変更)


3.その他
 隊員の健康状況は概ね良好である。

 トルコ国西部地震災害救済
 国際緊急援助専門家(兵庫県・神戸市チーム)活動概要報告
<現地:9月2日分>

1.派遣チームの活動(9月2日)
(1)チャンネル6番組出演
 ・映像により阪神・淡路大震災を振り返りながら、防災に関する教育面などについてインタビューがあった。

(2)セミナー開催
 1 参加者約200人
 取材報道機関:NHK。関西テレビ他、地元テレビ局、新聞社など多数
 2 内容
 ア 兵庫県
 ・ビデオにより阪神・淡路大震災とその後の復興状況について紹介。
 ・トルコ北西部地震と阪神・淡路大震災の概要比較
 ・復旧・復興の各段階とそれぞれの段階における主な課題
 *初期対応
 *被災地応急対応
 *復旧・復興始動期
 *それ以後
 ・質疑応答
 イ 神戸市
 ・阪神・淡路大震災における神戸市の取り組み
 *神戸市の被災概要
 *復旧への取り組みにかかる問題点と対応
 ・危険家屋の早期解体への神戸市の取り組み
 ・がれき処理の方法と今回の地震における提案
 ・被災者に対する支援とテント村の運営について
 ・阪神・淡路大震災での仮設住宅入居者選定と義捐金に関する問題点
 ウ 質疑応答
 主な質問は次のようなもので、震災時の状況についてのものが大半であった。
 ・活断層の上に再び街を作り直すのはなぜか。
 ・上水、下水などのインフラの復旧はいつぐらいからか。
 ・地下鉄、地下トンネルなどの地下構造物の被害はどのようだったか。
 ・今回の地震の復興までの期間をどの程度と考えるか。
 エ 林教授(京大防災研究所)の講評
 ・阪神・淡路大震災の復興までの足取りについて所見を交えて解説。
※質疑等も活発でトルコにおける阪神・淡路大震災及び今回の地震に対する関心の高さがうかがえた。

(9/2のスケジュール)
 7:40 チャンネル6番組出演(団長、小原、岩崎)
11:50 ホテル出発
13:00 セミナー開始
17:20 セミナー終了
18:00 ホテル到着

2.9月3日のスケジュール
 7:00 ホテル出発
 8:50 空路アンカラへ(フライト変更)
 午後 JICA事務所

3.その他
 隊員の健康状況はおおむね良好である

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 トルコ国西部地震災害救済
 国際緊急援助専門家(兵庫県・神戸市チーム)活動概要報告
<現地:9月3日分>
1.派遣チームの活動(9月3日)
(9/3 スケジュール)
 7:10 ホテル出発
10:30 アンカラ到着(ここから2班に分かれて行動)

(1班:佐々木団長、小原、富岡、谷口、岩崎、加藤、尾崎、林@京大教授)
11:40 テペ社(仮設住宅を取り扱っているゼネコン)を訪問
14:10 公共事業住宅省内 仮設住宅視察
14:30 公共事業住宅省 地震対策研究部訪問
16:20 公共事業住宅省 防災局長表敬

(2班:川久、中杉、柏野、林、古川)
14:00 保健省次官 訪問
15:45 教育省次官 訪問

(両班合流)
17:10 アンカラJICA事務所訪問
17:50 ヒルトンホテル到着
19:30 アンカラJICA職員とともに夕食会(小原、林、林@京大を除く)
      官房長官訪問(小原、林、林@京大)

 ・本日はアンカラに移動し、2班に分かれてそれぞれ政府関係者などを訪問し、現地の仮設住宅の状況、現在行われている感染症対策、心のケア問題に対する取り組み、ボランティア教育などについて、情報収集と活発な意見交換を行い、大変有意義な調査活動となった。

2.明日のスケジュール
(主にセミナー、レポート作成の時間に充てる)
 9:00 ミーティング(9/3分。本日未実施のため)

3.その他
 隊員の健康状況はおおむね良好である。

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 トルコ国西部地震災害救済
 国際緊急援助専門家(兵庫県・神戸市チーム)活動概要報告
<現地:9月4日分>
1.派遣チームの活動(9月4日)
(9/4 スケジュール)
 9:00 ホテル出発 第1回ミーティング
11:00 日本大使館訪問(団長、小原、富岡)
17:20 第2回ミーティング

2.明日のスケジュール
 9:30 9月6日の資料を提出

3.ミーティング内容
(1)第1回
 ・9月7日に提出するレポートは提言を中心とした内容のサマリーとし、6日のセミナーの材料とする。
 ・12月ごろをメドとして最終レポートを書き上げ、トルコ側に提出する。
 ・第2回ミーティングまでに、現状、提言、その理由(根拠)についてまとめる。

(2)
 ・6日のセミナーの説明項目を決定し、内容について調整する
 (セミナー骨子)
 1 あいさつ
 2 マルマラ地震と阪神大震災(小原)
 3 救援対策(岩崎、川久、中杉)
 4 被害者支援(林、柏野、古川)
 5 都市の再建(加藤、尾崎、富岡)
 6 総括
 7 質疑、討論会(3−5の班ごと)

4.その他 
 隊員の健康状況はおおむね良好である。

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 トルコ国西部地震災害救済
 国際緊急援助専門家(兵庫県・神戸市チーム)活動概要報告
<現地:9月5日分>
1.派遣チームの活動(9月5日)
(9/5 スケジュール)
 9:30 9月6日のセミナー用の資料の提出及び調整
 午後   自由時間(各団員によるセミナーの準備など)
17:00 ミーティング
 議題 1:9月6日のセミナーについて
    2:9月7日に在トルコ日本大使館(を経由して日本政府)に緊急提言する内容について

2.明日(9月6日)以降のスケジュール
(1)9月6日(月)
 8:00 ホテル出発
 9:00 セミナー(〜17:00)(セミナー次第は別紙)
 夕方 在トルコ大使館招待の夕食会

(2)9月7日(火)
 午前 在トルコ日本大使館への報告
    トルコ政府へのレポートの提出
    兵庫県知事及び神戸市長よりトルコ政府に宛てた親書手交(トルコ公共事業
省次官または同次官補に渡す予定)

3.その他
 隊員の健康状況はおおむね良好である。

 マルマラ地震災害からの復旧についてのセミナー
−兵庫県・神戸市の体験−
(於:ト日基金文化センター・アンカラ)
 9:00 あいさつ
 ・ヨネバヤシ タツオ JICAトルコ事務所長
 ・在トルコ日本国大使
 ・佐々木直義団長
 9:30 第1セッション
 ・マルマラ地震と阪神・淡路大震災
 (小原健男:阪神・淡路震災復興本部総括部参事・震災記念協会常務理事)
10:00 コーヒーブレイク
10:15 第2セッション 災対救助活動
 ・職長配給及び義捐金(岩崎靖:市建設局公園砂防部管理課管理係長)
 ・ヘルスケア対策(川久道隆:県健康福祉部生活衛生課課長補佐兼乳肉衛生係長)
 ・教育対策(中杉隆夫:県教育委員会高等教育改革室主幹)
11:15 コーヒーブレイク
11:30 第3セッション 被災者支援
 ・仮設住宅重苦の運営:テント村とプレハブ住宅
 (岩崎靖:市建設局公園砂防部管理課管理係長)
 ・テント村における福祉活動
 (林芳宏:市市民局市民安全推進室安全企画課推進係長)
 ・ボランティア活動:NGO、NPOなど
 (柏野繁樹:県生活文化部生活創造課主幹)
 ・自立支援のための資金調達
 (古川厚夫:都市計画局再開発部六甲道南再開発事務所事業第2係長)
12:30 昼食(トルコJICA同窓会組織主催)
13:30 第4セッション:被災都市の復興
 ・倒壊家屋の解体(加藤利明:市理財局財政部経理課工事契約係長)
 ・がれき処理(尾崎敏之:市環境局業務部産業廃棄物指導課主査)
 ・住宅・都市復旧計画(富岡敏典:県まちづくり部総務課主幹)
 ・地域防災(谷口正洋:県防災企画課事務吏員)
 第5セッション サマリー(佐々木直義団長)
15:00 コーヒーブレイク
15:30 ワークショップ
 ・災害救助活動
 ・被災者支援
 ・被災都市の復興

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 トルコ国西部地震災害救済
 国際緊急援助専門家(兵庫県・神戸市チーム)活動概要報告
<現地:9月7日分>
1.派遣チームの活動(9月5日)
 マルマラ地震災害からの復旧についてのセミナーに参加し、次の提言を行った。
(1)マルマラ地震と阪神・淡路大震災との比較−別紙1
 (小原健男:阪神・淡路震災復興本部総括部参事・震災記念協会常務理事)
 ・人的被害、物的被害などについての比較

(2)食糧・救援物資−別紙2
 (岩崎靖:市建設局公園砂防部管理課管理係長)
 ・救援物資の受け入れ、流通を明確にし、援助を希望する組織に対し、充足している物資、不足している物資、送付方法についても入手し易いよう、情報を発信すること。
 ・テント生活をしている被災者の要望を把握するとともに、今後、長期化することも前提として必要となる物資のリストを作成すること。

(3)衛生対策−別紙3
 (川久道隆:県健康福祉部生活衛生課課長補佐兼乳肉衛生係長)
 ・仮設診療所(プレハブ形式)の設置
 ・精神医療、相談窓口(24時間体制)の設置
 ・インフルエンザワクチンの接種
 ・定期的な巡回健康相談の実施
 ・仮設シャワー及び洗濯場の早期設置

(4)教育対策−別紙4
 (中杉隆夫:県教育委員会高等教育改革室主幹)
 ・避難訓練の計画的実施
 ・災害に対する理解と技術向上のための防災教育の充実
 ・学校防災マニュアルの指針の提示
 ・心の相談センターの充実
 ・教職員の指導力向上のための研修会・講習会の充実
 ・スクールカウンセラーの配置

(5)仮設住宅の管理体制−別紙5
 (岩崎靖:市建設局公園砂防部管理課管理係長)
 ・各被災地ごとにテント生活者を分類し、個別データを把握するための実態調査を行うこと。
 ・建設予定地を決定する際、弱者(高齢者・障害者)対策を検討し、仮設住宅の使用に反映させること。(トルコの国情にあったコミュニティ)
 ・仮設住宅の建設と並行して、仮設住宅のソフト面を担当する組織体制を整備し、入居基準(優先順位・募集方法・決定方法など)及び、仮設住宅管理・運営基準を作成すること。

(6)テント村の運営−別紙6
 (林芳宏:市市民局市民安全推進室安全企画課推進係長)
 ・テント村の生活水準をあげること
 ・被災者の自立を助ける方策を取ること
 ・1999年をトルコのボランティア元年に

(7)ボランティア対策−別紙7
 (柏野繁樹:県生活文化部生活創造課主幹)
 ・ボランティアコーディネーターの設置
 ・自立復興支援のための長期的なボランティアキャンペーンの実施

(8)被災者の自立に向けた経済的支援−別紙8
 (古川厚夫:都市計画局再開発部六甲道南再開発事務所事業第2係長)
 ・トルコの国情、生活習慣に合った被災者の納得できる方法で、義捐金を早期に配分すること。
 ・継続的に義捐金を確保するため、被災地の状況を発信し続けること。
 ・生活再建に向けての道筋を付けるための経済的支援を実施すること。

(9)建物の解体−別紙9
 (加藤利明:市理財局財政部経理課工事契約係長)
 ・被災した建物を一斉ではなく、3つに分類し、優先順位を付けること
  早期に解体を完了させるもの(2次災害防止)
  早期に着手し、慎重に解体を完了させるもの(行方不明者)
  中期的に解体させるもの(軽度の被害、修理可能)
 ・地図情報システムを使った防災システムを確立すること。

(10)がれきの処理−別紙10
 (尾崎敏之:市環境局業務部産業廃棄物指導課主査)
 ・危険な建物について、緊急に国が解体すること
 ・建物の解体やがれきの撤去の時に、水道の復旧が前提となるが、十分な散水により粉じんの発生を防ぐこと。
 ・がれきを勝手なところに捨てないよう、早急に仮置き場を複数造ること。
 ・長期的には仮置き場での分別によりコンクリートを中心に再利用すること。

(11)住宅と都市の復旧計画−別紙11
 (富岡敏典:県まちづくり部総務課主幹)
 ア 応急仮設住宅
  限定された居住期間であっても、被災者にとって安心して住めるという視点が必要である。
 ・建設場所の選定については、立地条件に留意する。
 ・団地内を一つのまちと考えて、コミュニティの形成に寄与できる敷地内道路、空き地の確保などに配慮した敷地レイアウトが必要。
 ・生活利便施設が近くにない場合は、地域内に、仮設診療所、ミニ・コンビニ、公衆電話、仮設教室、地域集会所、臨時バス路線の運行などを仮設住宅団地の規模に応じて、整備する必要がある。
 イ 安全な住まいとまちづくり
  地震の発生頻度と人命尊重及び復興の社会コストを考えると、災害に強いまちづくり(都市計画、市街地整備)と地震に強い建物づくりが重要である。
 ・「災害に強く、安全で安心できるまちづくり」という視点を基本に据えた都市復興計画を策定する必要がある
 ・災害に強い安全で安心できる建物作りを進めていく必要がある。

(12)自立、互助、共助−別紙12
 (谷口正洋:県防災企画課事務吏員)
 ・防災教育の充実を図ること
 ・地域住民での救助活動ができる体制を整備すること

2.明日(9月7日)以降のスケジュール
(1)9月7日(火)
 午前 在トルコ日本国大使館への報告
    トルコ政府へのレポートの提出
    兵庫県知事及び神戸市長よりトルコ政府に当てた親書手交(トルコ公共事業省次官または同次官補に渡す予定)
17:50 アンカラ発
20:15 フランクフルト着
(2)9月8日(水)
13:25 フランクフルト発
(3)9月9日(木)
 7:40 関西空港着

3.隊員の健康状況はおおむね良好


トルコ・トップ|index|中川 和之

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